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🌹女風土記🌹 奈良県吉野郡 「辯天宗」開祖&松下幸之助の守り神 大森智辯 女史 / The Founder of “Benten-shu” & Konosuke Matsushita’s…

「一緒に辯天さんを拝みましょう」 “Let us pray to Benten-sama together.”

女風土記 HerStory from Japan · 2026-03-29 17:10 · 0 claps · 11.7 min read
#her-story #womens-history #女風土記 #女性史 #シャーマン
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🌹女風土記🌹 奈良県吉野郡 「辯天宗」開祖&松下幸之助の守り神 大森智辯 女史 / The Founder of “Benten-shu” & Konosuke Matsushita’s Spiritual Guardian, Ms. Chiben Omori

「一緒に辯天さんを拝みましょう」 “Let us pray to Benten-sama together.”

大森 智辯(本名:大森清子 旧姓:吉井)女史 Ms. Chiben Omori / Kiyoko Omori 1909–1967 奈良県吉野郡吉野町飯貝 生誕 Born in Yoshino-gun, Nara-ken

大森 智辯(本名:大森清子)女史は、宗教法人「辯天宗」の開祖。チベン製薬・智辯学園を創立。信者に林房太郎、和田完二、松下幸之助、笹川良一、原健三郎、浪花千栄子、清川虹子、花菱アチャコ、江利チエミ、田端義夫、大川橋蔵、島倉千代子、美空ひばり、田岡一雄、など。 Ms. Tiben Omori (born Kiyoko Omori) is the foundress of the religious organization Benten-shu. She also established Chiben Pharmaceutical and the Chiben Gakuen schools. Her followers included prominent figures such as Fusataro Hayashi, Kanji Wada, Konosuke Matsushita, Ryoichi Sasakawa, Kenzaburo Hara, Chieko Naniwa, Nijiko Kiyokawa, Achako Hanabishi, Chiemi Eri, Yoshio Tabata, Hashizo Okawa, Chiyoko Shimakura, Hibari Misora, and Kazuo Taoka, etc. *******

「拝み屋たつ」 吉野川上流の飯貝村で紙・筆・墨の卸商家「うおや」を代々営む吉井重吉の一男二女の長女として、清子は呱呱の声を上げます。祖父の代に2度の火災を起こして経営が困難となってから、父・重吉は村役場に務めるかたわら、小さな文房具の小売店を開いていました。母・スエは奈良県南葛城郡葛村の農家6人目の末娘で、発足したばかりの尋常小学校を卒業後、女中奉公をして嫁入りするものの、素封家出身の祖母・タツと肌が合わず対立していました。次女・節子が生まれた頃、天候不順で虫害を受け、副業として営む養蚕業の桑の葉が入手困難となります。桑の木の仲介人から買付契約を断られたことを伝言し忘れた母・スエは、村の養蚕組合の役員を任され焦燥感に苛まれる父・重吉ならびに加勢する祖母に家を追い出されます。乳飲み子の節子を背負い、右手に風呂敷鼓を下げ、左手で3歳の清子の手を引いて、後ろには兄・勲を従えて、知り合いの家に身を寄せます。そして、心にのしかかる憂いを抱えて峠をひとつこえた楢井に、大地協会の教祖・土井たつを訪ねます。

「毘沙門天」 「お前の連れている3人の子供の中に、ひとり、神の魂を抱いた子がいるぞ。人を助け、世を救い、神としてあがめられるようになるぞ。」楢井参り5日目の夜、たつが毘沙門天の神示を下します。まもなく、父・重吉のわだかまりがとれて吉井家に戻った母・スエは、姑とのいさかいもなくなった平和な家庭を肌で感じるとともに、清子の不思議な能力に気付きます。「清子何してるねん」母・スエが財布を無くして途方にくれていると、清子は石のかけらで地面をほじくり返して50銭銀貨をつまみ出します。「一生に一度は二重橋を渡ってみたい」在郷軍人会幹部として日露戦争の戦勝祈願を済ませた父・重吉に、「そのうち、だれでも渡れるようになる」と清子は予言します。「今年の秋に、兄ちゃん、死ぬで」正月の清子の予告通り、ある秋の日の夕食中に兄が心臓麻痺で急逝します。小学校に通い始めた清子は、祖母タツと一緒に暇さえあれば野山に入って薬草を採集します。村会議員のあとに町会議員を務めた父・重吉は文房具商を順調に回転させるものの、関わっていた生糸工場の破綻を招いて一夜にして破産。13歳の清子は住み込みの紡績女工となります。

「大阪の妙見さん」 「朝夕線香半分、正午線香一本」「工場は地獄よ、主任は鬼よ」女工哀歌が流行する最中、清子は契約期間を勤めあげた後にさらに2・3の工場で働いて、ようやく負債の整理された家に戻ります。20歳のとき親戚の世話を受け、奈良県上市の山中にある大師堂の堂守をする大森智祥と結婚します。夫・智祥(本名:政信)は、和歌山県山木ノ本の農家5人兄弟の末っ子から奈良県五條市野原の十輪寺に養子に入るものの、高野山中学へ進学中に養父に長男が誕生、再び養子に出された金剛寺の新養父が吉野川に転落し水死、檀家に追い出されて元養父のもとで高野山中学を卒業後、太師堂の有力檀家で清子の遠縁にあたる吉井けいの養子となっていました。まもなく元養父が他界すると、成長した遺児たちは母親と大阪に移住し、結婚の翌年に清子と夫・智祥の2人は十輪寺に入ります。清子は家事の切り盛りから檀家の相談相手まで忙しい日々を送ります。長男に続いて次男が生まれた頃、清子は原因不明の手足神経痛になります。大阪医大の診断を受けても納得できない清子は、義母と連れだって出かけた「妙見さん」(大阪府伊勢町の日蓮宗「妙見山」)で拝み屋をする古老に教えられます。「あんたのところに、弁天はんが一体いやはるはずや。その弁天はんは手も足も取れ放題でほうらかしてある。」

「弁才天」 寺をひとつひとつ調べてまわった清子は、物置同然にしてあった祠のなかから埃まみれで黒く汚れ両手のもげた弁才天を見つけます。早速、修理に出した弁才天を、掃き清めた祠に新しく設えた祭壇に祀ります。清子の健康が回復すると、今度は子供たちが病気をするようになります。ある夜、夢の中に白髪白髭の老人が現れ、「お前の寺の西の石垣に使ってある石の中に、無縁仏の墓が混じっている。これを彫り出して供養しなければ家族の病苦の災いは防ぎきれない。」石垣を一つ一つ叩きながら調べて歩いていると、とつぜん清子の頭がひどく痛みます。「それや」取り出してみるとはたして墓石のかけらでした。そして、さんさんと降り注ぐ春陽の下で庭の草むしりをしているときに清子は失神。「弁才天の身代わりとなって、人の苦しみ悩みを救え」金剛砂の感触が残るまま目を覚ました清子は、早速霊能を現し、寺右側の長屋に住まう一家の病気を全治させます。「あんたの家の斜め前に立ち腐れになっっているお地蔵さんがある。お宅の子や近所の子はおしっこをひっかけている。お地蔵さんを立て直して囲いをしなさい。それから一緒に辯天さんを拝みましょう。」大和地方の人々の潜在易な辯財天信仰と相まって噂は噂を呼び、信者は五条市内を中心に四方に広まります。

「走り弁天」 清子は「智辯」と改名、宗教団体法が交付されると加治祈祷師の資格を取り、薬事法違反に問われると信者の薬剤師の名義で製薬を続けます。敗戦を予言し治安維持法により留置された後には、吉野側に入水すると遺書を残したまま行方不明になった北海道からの入信婦人の躯が「今井の池にはまっている」と言い当て刑事たちを沈黙させます。「敵機が飛んでくる。まもなく大阪は火の海になる。工場を早く疎開せよ。」戦争末期、大阪で多くの工場を持つ林房太郎は工場を生駒に移して空襲をまぬがれた後、敗戦後に資材高騰で大変な利潤を上げます。「門真市の本社敷地内にある堂宇の2代目堂守さんの霊がお祀りされていないため、松下さんに不幸が続く。」義弟が三洋電機を独立させたばかりの松下幸之助は、堂宇を改修して新たに堂守を抱え、智辯詣でを欠かさず松下電器をパナソニックに発展させ「不況はぜい肉(=中小零細企業)を取るための注射」、PHP研究所を設立「素直な心になりましょう」、岸信介後援会名誉会長に就任します。「選挙区に空白がある。尼崎に力をいれなさい。」兵庫の選挙区で苦戦中の原健三郎は丸善石油社長・和田完二にすすめられ夫婦で入信、のち衆議院議長ならびに労働大臣を務めます。「奈良の高校のグラウンドにある」持ち株全部を積み込んだ車を取り戻した右翼陣営頭領の笹川良一は、原理運動の若者をつれて本部へ参詣し「日本を共産主義革命から救おう」、智辯の娘・蘭子を息子・勝正の嫁に迎えます。笹川が手を染める映画興行界でも浪花千栄子、清川虹子、花菱アチャコ、江利チエミ、田端義夫、大川橋蔵、島倉千代子、美空ひばりらファンを大勢獲得します。「今は大丈夫」毒舌が災いし右翼左翼に追われる作家の今東光は、浪花千栄子のすすめで受けた「ご神示」を受け護身用の短刀を棄て、天台宗大僧正また中尊寺貫主また参議院議員になります。五条駅で降りる人々の走る足音が早朝の五条町に響き渡る「走り弁天」の異名をとるようになる頃、「野原の弁天さま」こと清子は信者の願いに献身的に勤めるあまりに生まれて間もない三男を死なせてしまいます。

「辯天宗」 「信者組織をつくれ」救われ儲けた人々は信者獲得に動き「辯天講」を結成、支部を全国につくり浄財を集めて本堂拡張工事を完成させます。「立教せよ」真言宗から分離独立して宗教法人「辯天宗」を開教すると、「笹川良一にたのめ」茨木市桔梗ヶ丘10万坪に道場・本殿・参篭殿を建立、奈良本部にチベン製薬・智辯学園を創立します。大阪本部落慶式のアトラクションに美空ひばりが賛助出演し、若い衆を動員して舞台設営を無料奉仕した3代目山口組長・田岡一雄は大阪本部へ智辯詣でを始めます。「先祖代々の宗派やその寺院との関係を絶つ必要はない。辯天宗ではかえってそれらを大切にする。」二重信者を多数抱えながら、桔梗=帰郷の発想や奉仕活動にやってくる信者のハッピは天理教に、青年部を青年隊に組織替えするのは創価学会に、祖先崇拝思想は霊友会系教団に似ているように、他宗派を排撃しない辯天宗は他宗派のいいところを貪欲に取り入れます。「水子供養をすることで水子は先祖になる」のち大阪本部に地上73m20万体供養できる水子供養塔が竣工、水子供養ブームを牽引、水子供養大法要の夜には花火大会が開催され地域の一大祭りとなります。智辯学園は、のち文世光事件(大韓民国大統領・朴正煕ならびに夫人・陸英修を在日韓国人・文世光が射撃)翌年に日本から初めて韓国へ総勢約400名のマンモス修学旅行を開始。乗船客減少に苦慮する関釜フェリーの新たな顧客となって、韓国と日本の教育現場を直接つなぐパイプづくりを本格化させます。

「毎日の神示」 信者らは「神箋用紙」に悩み事や願い事を記入、班長・支部長・教区経由で本部に届け、智辯から直接また文書の「ご神示」が下されるまでの間、お百度を踏んだり、月2回年24回の本部霊場に参集する「お運び」をしながら待ちます。智辯こと清子は毎朝6時半ごろ起床すると、朝食をとるまでの間に信者が提出した「神籤用紙」を読み、 朝食の後で12時半を過ぎるまでに神籤用紙500枚以上に目を通します。「・・・・・・御神籤にいちいち眼を通してまいりますと、しまいには眼が痛くなってまいります。どれもこれもご神示してあげたいものばかりで、本当に困ってしまうのです・・・・・・。私はその人の名前を見ただけでああこの人は何の用件できた。これは医者はこう言うがここが悪い。この人は金にこまってきた。これは縁談だ。などということがすぐに分かります」それから本堂で夜8時9時ごろまでご神示を続け、夕食を済ませお風呂に入ってから10時11時にまた本堂へ上がり、ご祈願ご祈祷を1時間。「床に入っても昼間のご神示が気になってなかなか眠れません。あの人にはこう言ってあげたけれど、そのとおりしてくださったかな。 あの人はどうなったかなどと思い出します。 やっとうとうとしたと思ったらご本尊が夢の中に出てこられまして、ご神示なさいます。 こんな事が毎夜です。眠っている時間はごくわずかなものでしょうね」智辯こと清子は大変な過労で、突然、世を去ります。享年58歳。

-「現代の新興宗教 : 信者30,000,000人 (太陽の本)」(戸川猪佐武 著 太陽, 1976.12) -「日本女性史 7 (近代の女性群像)」(笠原一男 編 評論社, 1973) -「民衆宗教の実像 : 十二人の教祖たち」(猪野健治, 梅原正紀, 清水雅人 共著 月刊ペン社, 1972) -「宗教を現代に問う 2」(毎日新聞社 編 毎日新聞社1976) -「日韓ルート」(大島幸夫 著 講談社1978.1) -「新評 16(10)」8新評社1969–08) -「現代の眼 17(4)」(現代評論社1976–04) -「宗教と社会 = Religion & society 別冊」(「宗教と社会」学会1998–03) -「出版戦争 : 大量安価で出版の質は保てるか」(小汀良久 著 東京経済1977.6) -「企業ぐるみ選挙 : その実態とたたかいの手引」(企業ぐるみ選挙を告発する大阪連絡会議 編 汐文社1979.9)

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