多様な学習法のメソッド①:学習内容
多様な学習法のメソッド
多様な学習法(Differentiated Learning)のメソッド①:学習内容
多様な学習法のメソッド
以前紹介した「Differentiated Leanring」の先駆者であるTomlinsonは、以下の4つのメソッドがあると述べています。
1. 学習内容(Content) 2. プロセス(Process) 3. 成果物(Product) 4. 学習環境(Learning Environment)
今回は、この中でも「1. 学習内容(Content)」を紹介します。
多様な「内容(Content)」の学習法とは?
日本の教育において、学習内容は文科省の指定している指導要領を満たす必要がありますし、日本国外ならその国や地域、もしくは学校が指定する学習内容を扱う必要があります。 しかし、教室にいる全ての生徒のレベルが、学習内容に適しているとは限りません。より多くの支援を必要としている生徒もいれば、さらに高いレベルの学習内容を必要としている生徒もいます。 ブルームが提唱した6分類法を活用して学習内容を分けることが可能です。 以下の図は簡単にまとめているものです。

この分類法を活用して、支援が必要な生徒は「記憶」や「理解」に焦点を当てて学習し、その2つを習得している生徒は「応用」や「分析」に焦点を当て、そして高いレベルの生徒は「評価」や「想像」に焦点を当てた学習をすると、多様な学習内容を用意することが可能です。
例①
- 適応する言葉と定義を組み合わせる(記憶)
- 文章の一部を読み、それに関する問いに答える(理解)
- ストーリー内での登場人物に起こった状況や、異なった結末を考察する(応用)
- ストーリーにおいて、意見と事実を区別する(分析)
- 作者の立場を特定し、それを裏付ける論証を行う(評価)
- 学習内容の要約を目的としたプレゼンテーションを作成する(創造)
補足
もし学習内容を自由に決められる環境であるなら、以前紹介したバックワード・デザインやセントラル・デザインのカリキュラムを組みやすくなります。学習内容が決まっているなら、フォワード・デザインのカリキュラムがより適しています。 <参考資料: **カリキュラムの構成方法 (Forward, Backward and Central Design)>**
学習内容を多様化するという点では、バックワード・デザインやセントラル・デザインを用いたカリキュラム上なら、扱う内容自体を多様化することも可能です。以下がその例です。
例②
「多文化」という概念を扱ったバックワード・カリキュラムを組んだとします。「多文化」にまつわる文章を4つ選び、4つのグループに別の文章を渡します。それを読み文章理解をした後、「問1:文章内にはどのような文化が表されていたかまとめなさい。」、「問2:『文化』を定義しなさい。その際、なぜそのように考えたか、自身の論理を示しなさい。」、「問3:1・2をまとめたプレゼンを作り、他のグループに共有しなさい。」、「問4:『文化』は時代や場所によって異なることがある。日本社会にとって多文化共生は必要なことか。立場を決め、ディベートしなさい。」… といった学習内容を多様化(個別化)し、そしてそれを全体が扱えるように抽象化する学習法も可能です。 ブルームの6分類法をグループのレベルに合わせて導入することも可能です。
課題
学習内容を多様化すると、「人によって知識の偏りが出るのでは?」という意見がでると思います。 当たり前のようにより多い知識量が重要視されていますが、果たしてそうなのかという疑問もあります。なぜなら、活用の仕方がわからない知識が膨大に身の回りに存在します。また、そもそも個人が得た経験はその人が持っている個人的な知識だからです。また、インターネットの発展により知識をいつでもいくらでも手に入れられるため、知識の活用の仕方も重要視されています。そして、生徒の得意教科や趣味によって知識の偏りはすでに存在しています。すでに個人の持つ知識は多様ということです。
多様な知識が存在するという前提で、最低でも共有すべき知識は何かという問いが生まれます。日本語という言語では常用漢字がその最低ラインではあると思います。が、時代や場所によってそれは変化しうるものです。「義務教育内で最低限なにを学ぶか」ということはこれからも課題になってきます。
参考文献
Cathy Weselby, “What is Differentiated Instruction? Examples of How to Differentiate Instruction in the Classroom”, 2018年11月検索
https://education.cu-portland.edu/blog/classroom-resources/examples-of-differentiated-instruction/
「明日にも役立つブルームの分類法」、Hatena Diary, 2018年11月検索
http://d.hatena.ne.jp/badatmath/20100412/1271088505
David R. Krathwohl, “A Revision of Bloom’s Taxonomy: An Overview”, 2018年11月検索
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