『聖女と悪女』現代社会の闇
好奇心に負けて手に取ってみたが、個人的に名作だと思う。 イヤミス自体はそこまで好きではないが、最初から最後まで一気読みしたという珍しい事態に。 真梨幸子さんの話構成作りは非常に上手で、早く次のページをめくりたい気持ちで一杯。ネタバレ含まれる感想となるので、ご注意ください。
『聖女と悪女』現代社会の闇
好奇心に負けて手に取ってみたが、個人的に名作だと思う。 イヤミス自体はそこまで好きではないが、最初から最後まで一気読みしたという珍しい事態に。 真梨幸子さんの話構成作りは非常に上手で、早く次のページをめくりたい気持ちで一杯。ネタバレ含まれる感想となるので、ご注意ください。
とりあえず評価したいのは作中に出て来る重要人物「オザワ」への描写手法。最重要人物でありながら、話が半分以上に進めても本人が現れない。 他人の視点から段々と「オザワ」というキャラクターのパーツを集め、完全なる人物像を組み合わせる感覚。 私はこの少し謎を含まれたかとような描き方、好きです。
物語は過去と現在、それぞれの事件を巡っていた。 8人の軟禁事件と8人の殺人事件、管理人はどちらも自殺、妙なことに類似性が高く、不可解である。 沢山の観点・立場・役から話を進め、一見何の関連性もない人物が、次々と線に繋がれる。 【クラブ】【8人】【記者】【里子】【新興宗教】【オザワ】ストーリーはこれらのキーワードを中心に展開していくことになる。
サディズム、拉致、女衒、売春や覚醒剤、輪姦或いはレイプ動画やSMプレイ等も触れられた。 正しく現代社会に潜む闇を融合させた作品だと私は思う。 イヤミスと言われてるけれども、よくよく考えたら現実でも日常茶飯事のことに過ぎない。そう思考を切り替えた途端、嫌気どころか、一寸の違和感も生じない、何せこれ現実もそうだからさ。
マルキ・ド・サドの作品『美徳の不幸』には二人の姉妹が登場するが、性格は正反対でした。キーパーソンである「オザワ」も、実は一卵性双生児の姉妹、はい、話が見えてきたね。 サド伯爵の忠実なファンが、伯爵をリスペクトしたいがために、現代社会に『美徳の不幸』を再現しようとしたんです。 同じく二人の姉妹、同じく正反対の性格、これ以上にない好都合だ。 とここまで予測していたが、完全に見当違いでしたという結果に、これは一本取られたまである。
物語が進んでいくと、途中でパーツが次々と揃っても、結局複雑化していく。疑問、誘惑、誤認識、権力、倫理観、終始ずっと混じり合いながら読者の価値観を影響していく。
一見正義の味方である人が、実は殺人してたり、一見成金で極悪社長も、実はただのドM、ギャップは多いものの、後に実感が湧いてくるという、より一層現実っぽく見えることに。正直私にとっては名作レベル、それも名作中の上位を占めるぐらいの名作、作中に出てくる台詞や行動、時々社会の闇を投射してるようで、「あ、これあり得るかも」と思うようになるし、何しろこのようなフィクサーパーティー、あってもおかしくないからさ。
WS
메타데이터
- post_id
- 2dbb77aec3a9
- slug
- 聖女と悪女-現代社会の闇-2dbb77aec3a9
- url
- https://medium.com/@ws9001/%E8%81%96%E5%A5%B3%E3%81%A8%E6%82%AA%E5%A5%B3-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AE%E9%97%87-2dbb77aec3a9
- canonical_url
- https://medium.com/@ws9001/%E8%81%96%E5%A5%B3%E3%81%A8%E6%82%AA%E5%A5%B3-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AE%E9%97%87-2dbb77aec3a9
- author_url
- https://medium.com/@ws9001
- status
- ok
- fetched_at
- 2026-08-20 10:12:40