35㎜ F1.4の呪縛
木下光学KISTAR 35mm F1.4が発売されました
35㎜ F1.4の呪縛
木下光学KISTAR 35mm F1.4が発売されました

KISTAR 35mm F1.4が発売されました。 KISTAR 58mmf1.2 に続く大口径レンズの第2弾です。 先発の58㎜は、名玉トミノンを当時の設計通りに完全復刻したレンズでした。 今回のKISTAR 35mmは、コンタックスの ディスタゴン35㎜ f1.4の描写を目指したと開発の方に伺いました。ディスタゴン35㎜ f1.4といえば広角大口径の代表的なレンズです。KISTARは現代的な新しい技術を取り入れ小型化もされており、余すところなく木下光学の技術をつぎ込んだレンズと言えます。
思い起こせば、僕にとって Distagon35㎜ f1.4は憧れのレンズでした。 若かった僕には高嶺の花で、今だにカメラ雑誌の広告の作品を覚えているほどです。その頃発売された、コンタックスS2と一番安かった45mmのレンズを買って、ディスタゴン貯金を始めましたがその壁はあまりにも高く、やがて諦めて中古のNikkor35㎜ F1.4とニコンF3に乗り換える事にしました。
時を同じくして、主にスナップ写真を撮っていた僕は自分の写真に悩んでいました。その時、理想の写真として脳裏に浮かんだのは、あのディスタゴンの広告でした。それならば、焦点距離は35mmだけで撮ってみようと、35mm縛りの時代がスタートしたのです。
レンズ一本で済んでいいじゃないかと思われそうですが、そうもいかず、CONTAX G2やライカ、高級コンパクトなどと、35mmの焦点距離をとっかえひっかえ使っていました。 その中でもNikkor35㎜ F1.4とF3の組み合わせは、白黒フィルムを詰めて一番の相棒になりました。
35mmとF1.4の明るさはピントが見やすく、絞ればパンフォーカス、寄って開ければ背景がボケる、と万能な使い心地でした。 人物で使うには、ぐっと踏み込み、対象に近寄って撮る必要があります。 言い換えれば、そこまで近づける相手でないと撮れません。僕にとっては、極めて距離の近い人を撮るポートレートレンズとなったのです。開放付近の淡い描写が、始まりかけの恋に似つかわしく思いました。
そんな35㎜縛りから数年が経ち、ある日なんとなく50mmのレンズで撮影してみました。久々に味わう切り取ってる感、その有難さが身に染みました。そして僕の撮影は、35mmの明るいレンズと補助的に50mm付近のマクロレンズの2本持ちのスタイルで確立されたのです。
若いころの気恥ずかしい思い出はさておいて、のちにデジタル一眼に搭載されたAPS-Cセンサーサイズの到来で自分の撮影スタイルも壊れていき、色々なレンズを使うようになりました。いまだに35mmオタクでもありますが、ディスタゴンはこのまま手の届かない存在として恋焦がれていようと決めました。
そしてKISTAR 35mm F1.4は、そんな僕の事情などお構いなしにやってきたのでした。
[embed]
메타데이터
- post_id
- 6575c79aabbb
- slug
- 35-f1-4の呪縛-6575c79aabbb
- url
- https://medium.com/muk-camera-service/35-f1-4%E3%81%AE%E5%91%AA%E7%B8%9B-6575c79aabbb
- canonical_url
- https://medium.com/muk-camera-service/35-f1-4%E3%81%AE%E5%91%AA%E7%B8%9B-6575c79aabbb
- author_url
- https://medium.com/@muk_kosuge
- status
- ok
- fetched_at
- 2026-07-30 15:31:48