PlayStation5って消費者に直接35万円とかで売り出せばよくない?
それでもなぜ、”転売ヤー”はなくならないのか
PlayStation5って消費者に直接35万円とかで売り出せばよくない?
それでもなぜ、”転売ヤー”はなくならないのか

画像は公式HPから拝借: https://www.playstation.com/ja-jp/ps5/
みなさんこんにちは。医療系のベンチャーでWebエンジニアをやっている福本です。
世間は連休が終わりましたが、私は9連休に突入しました。探さないでくれ。
さて、今日はネットで話題になった、PlayStation5(以下PS5)の高額転売について触れていきたいと思います。
[embed]アマゾンでPS5を高額、50万という高額転売が話題に、 【注意】 現在、Amazonにて 高額に価格を吊り上げられPS5を買ってしまうケースが多発しているようです...!…togetter.com
ちなみに、タイトルの”35万円”は実際に話題になった転売価格なので挙げました。厳密に35万円という価格でいこう、という話ではないです(後述)。
また、メーカー希望小売価格における、独占禁止法や二重価格表示とかの法律周りや既存の小売店との関係性は(よくわかっていないため)一旦無視して理想だけ書いています。
新しくハードが出るたび同じ問題が話題になると個人的は思っていて、「毎回同じこと言ってるし、どうせなら少しずつ話しを進めて、今度からが違うことで悩んだ方が建設的じゃない?」と考え、今回筆を執った次第です。
ちなみに、個人的には転売をしたことも業者を利用したこともないです。メルカリくらいは使ったことがあります。
また、今回は話題になったPS5が題材ですが、他のゲームでも同じことが当てはまると考えています(Switchも高騰したね)。あるいは、人気アーティストのライブチケットとかにも似た話が当てはまると思ってます。
今起きていることのおさらい
前提を合わせるために、執筆時点(2020年9月19日)で起きていることをざっくり書いておきます。
- PS5の予約が9月18日10時に受付開始し、即完売 (2種類発売で、それぞれ定価は49,980円と39,980円)
- 35万円などの金額で転売が散見され、Twitterなどで話題に
- AmazonがマーケットプレイスでPS5の取り扱いを停止状態にした
という感じです。
ちなみに、定価のちょうど10倍に価格を設定し、購入時のクリックミスを誘発させたり、その後のキャンセル不可を主張する悪質な業者も見られたとのことです。
問題だと思っていること
現状を整理したところで、国内におけるゲーム転売の現状について個人的に思うところを書いていきます。
メーカーや開発者にお金が流れないこと

開発元には定価分しかお金が入ってこない
一番問題なのは、定価と転売価格の差益がメーカーや開発者ではなく転売ヤーの懐に入っていることでしょう。5万円のゲームが35万円で転売されても、開発元に入るお金は元値の5万円だけです。
より多くのお金が開発元に還元されれば、ゲーム開発の予算はより増え、アプデや新機能/新規タイトルの発売などに繋がります。
モラルや感情論を礎とした転売ヤーの締め出し方法
”開発者にお金が流れないことのマズさ”は、ネットの反応を見る限りそれなりに広まってきていると感じます。
しかし、肝心の転売業者の締め出しを「転売ヤーを許すな」「転売ヤーから購入するな」的な精神 / 感情論に終止する主張が目立ちます。
気持ちはわかります。しかし、何らかのメリットやナッジを与える仕組みなしに、人の行動をコントロールしようとするのは無理ゲーです。
感情的に正しさを訴えて人の行動が変わるのなら、肥満や喫煙で悩む人はこの世に存在しません。転売業者は購買者に一定のメリットがあるから存在するのです。
じゃあ直接35万円で売ろう!
ようやく本編です。雑に言うと「市場の価格で消費者に直接ゲームを売れば、転売業者の役割が奪われて開発元が潤うよ」っていう話になります。
この章で話したいことは、以下の図がすべてです。

なんで高価格で売るの?
転売業者を存在意義をなくすためです。
転売業者は、購買者が居るから存在します。つまり、それだけPS5に対し需要があることを示します。
なので、消費者に対して転売業者と同じ価格で開発元が公式に販売しても売れるはずです。転売でしかPS5を買いたくない人はあまりいないでしょう。
転売と限りなく近い価格で公式に販売すれば、転売業者の利益が減るので、勝手に撤退するはずです。
品薄時に公式より価格を上乗せする業者もいるかもしれませんが、需要以上に価格設定してもあまり売れないので商売になりません。
需要を価格に反映したい

親の顔より見たグラフ
ここで大事なのは、決して「ずっとPS5を35万円で売ろう」という話ではないことです。なぜなら、PS5の供給量が需要に追いつけば市場価格は下がるからです。
実際に、Nintendo Switchはコロナ自粛での品薄時には価格が高騰しましたが、今では価格が落ち着きだしています。(グラフは価格.comで調査)

Nintendo Switchは一番高かった頃より価格が落ち着いています
そして、均衡価格を実現するためには、PS5の価格を柔軟に設定できる必要があります。市場は生物であり、リアルタイムに価格を更新する必要があるからです。
しかし、そういった価格弾力性のある市場を現状のPS5は形成できていません(価格弾力性って言いたいだけ)。もちろん他のゲームも同様でしょう。
なので、出品者が自由に価格を決める転売行為が、自由市場の場になってしまっています。これが転売業者を締め出せない根本原因です。
いいこと
なので、開発元が価格調整をし、その商品に対してお金が支払われる構造にしましょう。そうすることで、
- 予算が増え、ゲームのアプデや次回作の開発につながる
- 品薄時に生産数を増やすインセンティブになり、品薄解消が早まる
といったことにつながります。いいことだらけやん!
また、価格調整が長きに渡って行われれば、数年後に買われるゲームも中古ではなく新品になり、これも開発者に直接にお金が流れる要因になります。
たぶんツッコまれること
タイトル「売り出せば”よくない?”」の回収です。完璧な方法なんてこの世に存在しないので、直接売るに当たり考慮すべき点はいくつもあります。
金持ちの優遇、不平等
「何十万もするゲームなんて買えねえ」「買えるのは金持ちだけ」という声が聞こえそうです。気持ちはとてもわかります。
ですが、そういう人は自分の手の届く価格になってから買えばいいです。逆に死ぬほど早く買いたいなら、お金を貯めて買いましょう。
ゲームが欲しいという気持ちが強ければ、お金を貯めることでそれを実現できる可能性が高まります。
抽選だと「ずっとファンで、何が何でもPS5を手に入れたい」人と「まあ当たったらなんかやるか」くらいの人でも、権利は同じように一口です。これ、いわゆる”悪平等”なんじゃないかなぁと考えてます。
現状PS5を「確実に」手に入れようと思えば、転売で買わざるを得ないはずなので、入手コストは変わらないです(コネとかそういうのはスルーします)。
それに、そもそも定価の5万円で買えない人も居ると思います。日本では平均年収的にその数は少ないかもしれませんが、世界的に見ると500ドル払えない人は多いんじゃないでしょうか。
ちなみに、ゲームは生活必需品ではないので、万民が買える値段に無理やり設定させる等の市場原理をさまたげる行為はしなくていいと考えてます。
転売ヤーの存在を肯定するプラットフォーマーが悪い
今回のPS5の件については、冒頭で振り返ったとおりAmazonがマーケットプレイスを停止しているので、少し一般的な転売の話になります。
これもたまに出てくる議論です。プラットフォームが転売業者の存在を認めて購買を行えるのは、プラットフォーマーとしていかがなものか…という話です。
そもそも論として、あるプラットフォーム(例えばAmazon)で転売を禁止しても、転売業者は他のサービスに逃げるだけです。これは購入者も同じです。特定のプラットフォームにこだわるメリットが存在しないからです。
なので、市場構造を変えずに転売を一様に締め出したい場合は、プラットフォーム全体で、一斉に転売行為を非推奨にする行動が必要かと思います(非合法化するとか)。
しかし、コレは割と悪手だと考えています。なぜかというと、転売行為が地下に潜ってしまうためです。
そうなると、ニセモノや状態の悪いものを掴まされたり、それを追跡・取り締まるコストが増大します。それに、反社会的勢力にお金が流れちゃったりもします。
これは、かつて米国で施行された世紀の悪法『禁酒法』に近いことが起きるイメージですね。正義感で非合法や禁止に追い込んでも、使用に物理的な制限を掛けるわけではないですから。
よくある例え話ですが、駅で周りに迷惑を掛ける酔っぱらいが悪いのであって、駅を運営する鉄道会社は悪くないです。悪いのは技術や場所ではなく人の方だったりします。
メーカーのブランド毀損につながる!
「ゲームを高額で販売したら開発元が銭ゲバ扱いされるので、ブランディング戦略上それはできない」みたいな話ですね。正直これは一定その通りだなと思います。
たとえば音楽の世界でも、海外ではVIP席や高額チケットとかを販売することはよく聞きますが、日本のアーティストだとあまり見ない気がします。
(※いい感じの海外と国内のチケット価格の比較が見つからなかったので、マドンナが行った高額 チケットの販売とその反響を雑に貼っておきます)
特にアーティスト活動と経済活動はなかなか難しい関係にありますし、このことは「お金がもたらすブランドへの影響」を如実に表している気がします。
ただ、ふたつ上の章でお話した世間の悪平等意識が変われば、世の中の受け取り方は変わっていくのかなとも思うので、この辺は仕組みから少しずつ変わっていければいいかなー…くらいに考えてます。
小ネタ
細かい話になります。あと、これは僕の勝手な妄想です。
こういった工夫は、開発元が直接手を下して改善する必要があると思っています。
昔、音楽コンサートとかのチケット転売を仲介する『チケキャン』なるサービスがあったのですが、潰れてしまいました。法律的にグレーっぽかったので、警察のメスが入ったそうです。
サードパーティの事業者が、公式メーカー・転売業者・消費者の三者間でパワーバランスを取るのは相当難しいです(考えただけで胃が痛い)。市場を作るためにうっかり転売業者を優位にすると、二の舞を演じることになるかもしれません。
さいごに
最後までお読み頂いた方、ありがとうございました。転売問題について何か考えるきっかけになれば幸いです。
今回お伝えしたかったのは、「転売業者を許すな」というモラルの話は多分あまり効き目がないので、仕組みを変えるほうが良くない?って話でした。
[embed]ノリでツイートしたが140文字じゃ説明はムリや
私の考えのあくまでその一例です。転売行為そのものを締めるのであれば、「ゲームと購入者の電話番号を紐付けて、購入者以外は使用できなくする」なんて手段もあるのかなと考えてました。
(※ヨドバシカメラは、抽選の申し込み時に自社アカウントと購入者を紐付けたりしてるみたいです)
どうせ倫理とか道徳って数年でアップデートされちゃうんで、それなら仕組み残して開発者とWinWinなエコシステム作って、これからも面白いゲームが提供される世の中にしたいなーと思ってます。
まとめ
- 転売をモラルで縛っても意味なさげので仕組み作ったほうがいいぞ
- 消費者に高額で直接ゲームを売ると転売ヤーが締め出されるかも
- 金持ちを優遇したいわけじゃないぞ
- 毎回同じこと言ってるから、そろそろ違うことで文句言いたいぞ
메타데이터
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- 2026-07-28 19:46:03