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シンガポールIMDAがエージェンティックAI向けモデルAIガバナンス・フレームワーク改定版を公開(2026年6月8日公開)

2026年5月20日、シンガポール政府の情報通信・メディア開発庁(IMDA)は、「エージェンティックAI向けモデルAIガバナンス・フレームワーク第1.5版」を公開した。これは、情報通信・メディア開発庁(IMDA)が2026年1月22日に発表した第1版の改定版にあたる。

Eiji Sasahara (笹原英司), Ph.D., MBA · 2026-06-07 20:01 · 0 claps · 7.3 min read
#singapore #imda #agentic-ai #ai-governance
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Wiki topics: AGT · AI Agents

シンガポールIMDAがエージェンティックAI向けモデルAIガバナンス・フレームワーク改定版を公開(2026年6月8日公開)

2026年5月20日、シンガポール政府の情報通信・メディア開発庁(IMDA)は、「エージェンティックAI向けモデルAIガバナンス・フレームワーク第1.5版」を公開した。これは、情報通信・メディア開発庁(IMDA)が2026年1月22日に発表した第1版の改定版にあたる。

第1.5版の主な変更点は、以下の通りである。

  1. AIエージェントへの入門 ・エージェント構成要素の拡充:エージェントのコアとなる構成要素(脳にあたるモデル、指示、記憶、計画、ツールなど)に加え、安全面を担保するための「制御」および「ロギングと監視」が、新たにコアコンポーネントとして明確に位置づけらた 。 ・プロコトルの更新: 特にエージェント間コマースの領域をはじめとする、最新のエージェント通信プロトコル(MCPやA2Aなど)に関する記述がアップデートされた 。
  2. エージェンティックAIのリスク システム的リスクおよびマルチエージェント特有のリスクの追加:単一のエージェント単体のリスクだけでなく、複数のエージェントが相互に作用し合うことで生じるマルチエージェント特有のリスクや、システム全体に及ぶ複合的なリスクについての検討が追加された 。
  3. ガバナンス・フレームワークの4つの要素における変更点 ① 事前にリスクを評価し、境界を設定する ・新しいリスク評価要因の追加:リスクアセスメントにおいて、「システムの複雑性」や「サードパーティ製ソリューションの利用」といった新たなリスク要因が追加された。 ・事例の追加:DayosおよびOCBC銀行によるケーススタディが組み込まれた。 ② 人間に有意義な説明責任を負わせる ・バリューチェーンの洗練:エージェントAIのバリューチェーンが再定義され、「プラットフォーム提供者」と「システム提供者/アプリ開発者」が明確に区別されるようになった。 自動化バイアスへの対策強化:人間がAIの提案を鵜呑みにしてしまう自動化バイアスを防ぐため、「人間のオーバーライド率(AIの決定を拒絶・修正した割合)」や「レビュー時の応答時間」を監視するといった、より具体的な実践方法が追加された。 ・事例の追加:PwC、Tencent、X0PAによるケーススタディが追加された。 ③技術的制御とプロセスの実装 ・制御(コントロール)タイプの概要追加:構造的制御、ルールベースの制御、プロンプト層での制御など、さまざまな種類の技術的制御の概要と、それらをどのように選択すべきかの指針が追加された。 ・変更管理プロセスの導入:システムの複雑性が増す中で、小さな変更がシステム全体に想定外の大きな影響を及ぼすのを防ぐため、変更管理プロセスに関する推奨事項が盛り込まれた。 ・事例の追加::CDL × Knovel、CyberSierra、Google、GovTech、Stability Solutions、Terminal 3による豊富なケーススタディが追加された。 ④ エンドユーザーの責任遂行の有効化 ・技能の喪失と事業継続性:エージェントに業務を任せすぎることで、人間の基礎的な業務知識や技能(Tradecraft)が衰退し、それが事業継続性に与える悪影響についての詳細な記述が追加された。 ・事例の追加: Ant InternationalおよびWorkdayによるケーススタディが追加された。

また、今回の1.5版には、シンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)によるオープンソースのエージェントプラットフォーム「OpenClaw」へのフレームワーク適用に関する包括的なケーススタディも新たに掲載されている。

第1.5版の構成は、以下の通りである。

エグゼクティブ・サマリー 本バージョンにおける変更点 1 エージェンティックAIへの入門 1.1 エージェンティックAIとは何か? 1.1.1 エージェントの構成要素 1.1.2 マルチエージェント構成 1.1.3 エージェント設計が各エージェントの限界と能力に与える影響 1.2 AIエージェントのリスク 1.2.1 リスクの発生源 1.2.2 リスクの種類 1.2.3 システム的リスクおよびマルチエージェント特有のリスク 2 エージェンティックAIのためのモデルAIガバナンス・フレームワーク 2.1 事前にリスクを評価し、境界を設定する 2.1.1 エージェント導入に適したユースケースの決定 2.1.2 エージェントの制限と権限の定義による、設計段階でのリスク制限 2.2 人間に有意義な説明責任を負わせる 2.2.1 組織内外における責任の明確な割り当て 2.2.2 有意義な人間の監視のための設計 2.3 技術的制御とプロセスの実装 2.3.1 設計・開発段階における技術的制御の活用 2.3.2 デプロイ前のエージェントのテスト 2.3.3 デプロイ時における継続的な監視とテスト 2.4 エンドユーザーの責任遂行の有効化 2.4.1 ユーザーごとに異なるニーズ 2.4.2 エージェントと対話するユーザー 2.4.3 業務プロセスにエージェントを組み込むユーザー 附表A:その他のリソース 附表B:フィードバックおよびケーススタディ(事例)の募集 謝辞

(参考文献) ・Infocomm Media Development Authority (IMDA), “Model AI Governance Framework for Agentic AI”, May 20, 2026 https://www.imda.gov.sg/assets/63438074-73f6-4dcc-a281-030f42642cf4.pdf ・Infocomm Media Development Authority (IMDA), “Artificial Intelligence in Singapore” https://www.imda.gov.sg/about-imda/emerging-technologies-and-research/artificial-intelligence ・Infocomm Media Development Authority (IMDA), “Singapore Launches New Model AI Governance Framework for Agentic AI”, January 22, 2026 https://www.imda.gov.sg/resources/press-releases-factsheets-and-speeches/press-releases/2026/new-model-ai-governance-framework-for-agentic-ai

笹原英司 https://www.linkedin.com/in/esasahara/ 旧労働省(現厚生労働省)労働基準監督官を経て、デジタルマーケティング全般(B2B/B2C)および健康医療/介護福祉/ライフサイエンス業界のガバナンス/リスク管理関連調査研究/コンサルティングに従事する 現在は、クラウドセキュリティアライアンス、在日米国商工会議所、在日デンマーク商工会議所などで、スタートアップ企業支援活動を行っている。 千葉大学大学院医学薬学府博士課程修了(博士・医薬学)

Eiji Sasahara, Ph.D., MBA After serving as a Labor Standards Inspector at the former Ministry of Labour (now the Ministry of Health, Labour and Welfare), engaged in various areas, including digital marketing (B2B/B2C) and research, studies, and consulting related to governance and risk management within the healthcare, nursing, welfare, and life sciences industries. Currently, get involved in supporting startup companies through organizations such as the Cloud Security Alliance, the American Chamber of Commerce in Japan, and the Danish Chamber of Commerce in Japan. Hold a Ph.D. in Medical and Pharmaceutical Sciences from the Graduate School of Medical and Pharmaceutical Sciences, Chiba University.


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