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米国FTCがテイク・ダウン法(TIDA)の適用を開始(2026年5月30日公開)

2026年5月19日、連邦取引委員会(FTC)は、「テイク・ダウン法(TAKE IT DOWN…

Eiji Sasahara (笹原英司), Ph.D., MBA · 2026-05-29 20:01 · 0 claps · 8.4 min read
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米国FTCがテイク・ダウン法(TIDA)の適用を開始(2026年5月30日公開)

2026年5月19日、連邦取引委員会(FTC)は、「テイク・ダウン法(TAKE IT DOWN Act:TIDA)」の適用を開始した。同法は、被害者からの要請に基づき、同意なしにネット上に共有された親密な写真や動画(例.リベンジポルノや同意のない性的画像の投稿など)を削除することをプラットフォームに義務付ける法律である。

この日より適用されるテイク・ダウン法(TIDA)第3条では、対象となるプラットフォームに対し、同意なしにネット上に共有された親密な写真や動画の削除を個人が要請できる手段を設けること、および有効な要請から48時間以内にその親密な画像と既知の同一コピーを削除することを求めている。

FTCは、自身の同意のない親密な画像がネット上に投稿されてしまった場合に備え、消費者を支援するための新たなガイダンスを公開した。また、企業向けにも、同法を確実に遵守するための方法に関するガイダンスを発行している。

このガイダンスでは、企業がTIDAを遵守するために知っておくべき重要事項として、以下のような点を挙げている。

・TIDAは広範なオンラインプラットフォームを対象としている。TIDAにおける「対象プラットフォーム」の定義は、SNS、メッセージングアプリ、画像・動画共有、ゲーミングプラットフォームなど、さまざまなウェブサイト、アプリ、オンラインサービスに及ぶ。企業のビジネスが、主にユーザー生成コンテンツ(UGC)のためのフォーラムを提供している場合、あるいは同意なく共有された親密なコンテンツを定期的に公開、管理、ホスト、提供している場合、TIDAの対象となり、その要件を遵守する必要がある。 ・プラットフォームは、同意のない親密な画像に対する「通知および削除の手続き」を確立しなければならない。TIDAはプラットフォームに対し、同意のない親密な写真や動画に関する「通知および削除の手続き」について、削除要請の提出方法を含め、平易な言葉で情報を提供することを義務付けている。その通知は、明確かつ分かりやすいものでなければならない。 ・TIDAは幅広い「同意のない画像」を対象としている。TIDAは、同意のない親密な実写の写真や動画だけでなく、ソフトウェア、アプリ、人工知能(AI)などを用いてデジタル技術で作成・改ざんされた画像などの「デジタル偽造品(ディープフェイク等)」も対象としている。 ・プラットフォームは、削除要請の提出を簡素化しなければならない。親密なコンテンツは、投稿、メッセージ、コメント、ライブ配信など、さまざまな場所に現れる可能性がある。プラットフォームの性質に応じて、ホームページや親密なコンテンツが表示される可能性のあるすべての場所に、TIDAに関する明確かつ分かりやすい通知を掲載する必要がある場合がある。同意なく共有された親密なコンテンツの削除をユーザーが簡単に要請できるようにする方法を検討すること(例:写真や動画から直接削除要請を送信できる仕組みの導入など)。また、プラットフォームのアカウントを持っていない個人でも、簡単にTIDAの削除要請を提出できる方法も検討すること。TIDAによる保護は、企業のプラットフォームのアカウント保有者だけに限定されない。 ・プラットフォームは、重複する写真や動画を特定し、削除しなければならない。親密な画像の削除を要請する人は、重複する(まったく同じ)画像を個別に報告する必要はない。TIDAは対象プラットフォームに対し、報告された写真や動画の「既知の同一コピー」を特定し、削除するための合理的な努力を行うことを義務付けている。有効な削除要請を受け取ってから48時間以内に、これらのコピーを特定し、削除しなければならない。 ・プラットフォームは、削除要請の進捗状況を追跡しやすくすべきである。プラットフォームが受け取った削除要請ごとに識別番号(管理番号)を発行し、要請を提出した本人、プラットフォーム、および法執行機関が、同じ画像や要請について話していることを確認できるようにすべきである。さらに、報告されたコンテンツを削除したこと、あるいは削除しなかった場合はその理由を、要請者に通知する仕組み(プロセス)を設計すること。 ・プラットフォームは、同意のない親密な画像のさらなる拡散を防ぐ手助けができる。プラットフォームからすでに削除した親密なコンテンツが再投稿されるのを防ぐために、ハッシュ化などのテクノロジーの活用を検討すること。また、画像や動画に未成年者が含まれる場合は「全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)」の『Take It Down』サービスへ、18歳以上の成人が含まれる場合は『StopNCII.org』へ、ハッシュ値を共有することを検討すること。これにより、他のプラットフォームでも同じコンテンツが表示されるのを防ぐことができる。 ・TIDA違反はFTCによって執行される。FTCはTIDAを厳格に執行する。テイク・ダウン法(TIDA)の違反は、FTC規則の違反として扱われることに留意する。同法に違反したプラットフォームはFTCによる執行措置を受け、違反1件につき53,088米ドルの民事罰(制裁金)が科される可能性がある。

さらにFTCは、法執行における役割の一環として、同法専用Webサイト「TakeItDown.ftc.gov」を立ち上げた。このサイトでは、同意のない親密な画像の削除を求める有効な要請に対して適切な対応をとらなかったプラットフォームについて、被害者や当事者が苦情を申し立てることができる。また、これらの画像の削除を要請するための手続き窓口を設けていないプラットフォームに関する苦情も受け付けている。

翌2026年5月20日、FTCは、12のWebサイトに対し、「テイク・ダウン法(TAKE IT DOWN Act:TIDA)」の遵守義務を通知する警告書を送付したことを発表した。この警告書は、服を着た人物の画像から衣服を取り除き、同意のない性的な画像を生成できる、いわゆる「ヌーディファイ(裸体化)」ツールを提供している12の企業に送付された。警告書では、これらの企業が自社のプラットフォーム上に掲載された同意のない親密な画像を被害者が削除要請できる手続き(窓口)を提供しておらず、TIDA(テイク・ダウン法)に違反している可能性があると指摘している。

FTCは、これらの企業に対して法を「直ちに遵守する」よう強く求めている。これに応じない企業はFTCから法的措置を受ける可能性があり、違反1件につき最大53,088米ドルの民事罰(制裁金)が科される可能性があるとしている。

(参考文献) ・U.S. Federal Trade Commission (FTC), “FTC Sends Warning Letters to Companies About Compliance with the TAKE IT DOWN Act”, May 20, 2026 https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2026/05/ftc-sends-warning-letters-companies-about-compliance-take-it-down-act ・U.S. Federal Trade Commission (FTC), “FTC Begins Enforcing the TAKE IT DOWN Act”, May 19, 2026 https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2026/05/ftc-begins-enforcing-take-it-down-act ・U.S. Federal Trade Commission (FTC), “Complying With the Take It Down Act”, May 19, 2026 https://www.ftc.gov/business-guidance/resources/complying-take-it-down-act

笹原英司 https://www.linkedin.com/in/esasahara/ 旧労働省(現厚生労働省)労働基準監督官を経て、デジタルマーケティング全般(B2B/B2C)および健康医療/介護福祉/ライフサイエンス業界のガバナンス/リスク管理関連調査研究/コンサルティングに従事する 現在は、クラウドセキュリティアライアンス、在日米国商工会議所、在日デンマーク商工会議所などで、スタートアップ企業支援活動を行っている。 千葉大学大学院医学薬学府博士課程修了(博士・医薬学)

Eiji Sasahara, Ph.D., MBA After serving as a Labor Standards Inspector at the former Ministry of Labour (now the Ministry of Health, Labour and Welfare), engaged in various areas, including digital marketing (B2B/B2C) and research, studies, and consulting related to governance and risk management within the healthcare, nursing, welfare, and life sciences industries. Currently, get involved in supporting startup companies through organizations such as the Cloud Security Alliance, the American Chamber of Commerce in Japan, and the Danish Chamber of Commerce in Japan. Hold a Ph.D. in Medical and Pharmaceutical Sciences from the Graduate School of Medical and Pharmaceutical Sciences, Chiba University.


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